瀬川醜松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小學校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。 彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現狀を體験することで心を亂し、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との戀に心を焦がしていた。 友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、學校では醜松の出自についての疑念も抱かれ始め、醜松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか醜松は、被差別部落出身の思想家・豬子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。 豬子宛に手紙を書いたところ、思いがけず豬子と対面する機會を得るが、醜松は豬子にすら、自分の出自をカミングアウトすることができなかった。そんな中、豬子の演説會が開かれる。 醜松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という豬子の言葉に強い感動を覚えるが、豬子は演説後、政敵の放った兇刃により命を落とす。 この事件がキッカケとなり、醜松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする―――。
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